確かに、「資本主義=競争と格差を前提とするシステム」ですから、おっしゃる通り根本的に格差が生じるのは当たり前のことです。その前提を全否定して「結果の平等を完全に保証しろ、私有財産をなくせ」と言い出せば、それは間違いなく共産主義(あるいは社会主義)の考え方になります。
ただ、「格差が**広がりすぎること**を問題視する人=全員が共産主義者」かというと、実はそうとも言い切れません。バリバリの資本主義者やビジネスの最前線にいる人たちであっても、行き過ぎた格差を警戒するのには、以下のような極めて現実的・資本主義的な理由があります。
### 資本主義者が「行き過ぎた格差」を警戒する理由
* **モノが売れなくなる(消費の冷え込み)**
資本主義は、人がモノやサービスを買うことで経済が回ります。一部の富裕層にお金が集中しすぎて中間層や低所得層にお金がなくなると、日用品やサービスを買える人が減り、結果的に企業の売上が落ちてしまいます。(かつてアメリカの自動車王ヘンリー・フォードが、「自社の車を買えるように」と労働者の給料を大幅に引き上げたのは有名な話です)
* **治安の悪化と社会不安**
格差が極限まで広がると、犯罪率の上昇や暴動などの社会不安に直結します。社会が不安定になれば、安心してビジネスをしたり、投資をしたりする環境が壊れてしまいます。
* **「健全な競争」の崩壊(独占の弊害)**
一部の巨大企業や富裕層に資本が集中しすぎると、新しいアイデアを持ったベンチャー企業や挑戦者が市場に入り込む隙がなくなってしまいます。既得権益ばかりが強くなると、資本主義の最大のメリットである「イノベーション」が生まれにくくなります。
### 「資本主義の破壊」か「メンテナンス」か
格差を批判している人たちの中には、大きく分けて2つのタイプがいます。
1. **共産主義的な視点:** 「資本主義というシステムそのものが悪だから、根本から覆そう」
2. **修正資本主義的な視点:** 「資本主義は最高のシステムだけど、放っておくと格差が広がりすぎてシステム自体が自滅してしまうから、税金や社会保障などで少し『富の再分配(メンテナンス)』をして長続きさせよう」
現在、格差を問題視している人の多くは後者の「メンテナンスが必要だ」という立場にあります。
利益を追求して競争するのは大前提ですが、そのゲームを成り立たせるための土台(消費者の購買力や社会の安定)が崩れないようにルールを調整しよう、という考え方ですね。
現状の日本の経済政策や税金・社会保険料などの負担を見ていて、「いくらなんでも調整(再分配)をやりすぎで、逆に資本主義の活力を削いでいる」と感じられることはありますか?
0 件のコメント:
コメントを投稿