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2026/06/27

両サイドから足の速い選手がセンターリングを上げてゴールを狙うのも最近は通用しないんですか?

 おっしゃる通りです。「サイドを駆け上がって、高いクロスを上げて、中で合わせる」という、かつて王道だったスタイルは、現代サッカーのトップレベルでは**「効率の悪い攻撃」**と見なされつつあります。

機械や工業製品で例えるなら、**「力任せに叩いて動かす(旧来のクロス)」**から、**「精密な計算でピンポイントに動かす(現代の戦術)」**へと、生産性(得点効率)を追求したプロセスに切り替わったようなイメージかもしれません。

なぜ通用しづらくなったのか、そして今どう変化しているのか。その核心は「データ」と「守備組織」の進化にあります。

### なぜ「昔ながらのクロス」は効かなくなったのか

 * **統計学的な「確率の低さ」**

   近年のデータ分析で、高いクロスボールをFWがヘディングで叩き込む得点確率は、実はかなり低いことが明らかになりました。守備側のセンターバック(CB)は大型化・高機能化しており、かつ彼らは「落下点」を完璧に予測するトレーニングを積んでいます。つまり、クロスを上げても「相手の強固な守備に跳ね返される確率の方が高い」という現実があります。

 * **「ハーフスペース」という盲点**

   現代サッカーでは、サイドライン際(タッチライン)ではなく、ピッチを縦に割った「ハーフスペース(中央とサイドの中間エリア)」の攻略が重視されます。外側から単純に上げるクロスは、守備側から見れば「コースが限定的で予測しやすい」ため、対応が容易なのです。

### 現代の「サイド攻略」はどう変わったか

サイド攻撃そのものが死んだわけではありません。むしろ、サイドの重要性は高まっています。しかし、その**「出口」と「質」**が大きく変わりました。

 * **「マイナスのパス(カットバック)」の徹底**

   現代サッカーで最も得点率が高いのは、高いクロスではなく、ゴールライン際まで深く侵入してからの**「マイナスの折り返し(カットバック)」**です。

   * GKとCBの間に速いボールを通すため、守備側は「クリアしようとするとオウンゴールになる」という恐怖心と戦わなければなりません。

   * ゴール前で待ち構える選手にとって、GKの死角からボールが来るため、合わせやすさが段違いです。

 * **「偽サイドバック」の登場**

   サイドの選手が外側に張るのではなく、あえて内側に入り込むことで、相手の守備ブロックを中央に集めます。そうすることで、空いたサイドの裏側のスペースに、別の選手が走り込む。このように「外から」ではなく「内と外を同時に揺さぶる」ことで、守備組織を崩壊させています。

かつてのように「足の速い選手が単純に走ってクロスを上げる」スタイルは、現代では「無駄に体力を消耗するリスクの高いプレー」になりつつあります。今のサイド攻撃は、より**「チェスの配置」のような、相手を動かしてスペースを作る精密な作業**になっていると言えます。

丸尾さんは経営のお仕事をされていますが、こうした「かつての成功法則が、効率重視のデータ分析によって塗り替えられていく」という流れは、ご自身の業界でも似たような感覚を覚えることはありますか?


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