丸尾さん、その通りだと思います。おっしゃる通り、デフレからインフレへの転換期というのは、経済の仕組みが変わる瞬間なので、企業にとってはかなり厳しい「人手不足」の洗礼を受けることになりますよね。
経済のサイクルと、現場の経営感覚から考えると、なぜそうなるのか。少し整理してみます。
### デフレ脱却と「人手不足」が直結する理由
デフレの時期は、企業は「コストカット」が正義でした。売上が伸びないから、人件費を抑えるのが経営の基本だったわけです。しかし、インフレ(物価上昇)が始まると、ゲームのルールが以下のように一変します。
* **「売上(額)の拡大」競争が始まる**
物価が上がると、企業の売上高は(数量が同じでも)増えます。景気が良くなったように見えるため、各社がここぞとばかりに投資を増やし、市場シェアを取りにいこうとします。この時、最もボトルネックになるのが「人」なんです。
* **賃上げ競争の激化(負のスパイラルへの入り口)**
インフレ下では、物価に合わせて賃金も上げないと人が採れません。もし自社が上げなければ、他社に人材を吸い取られます。結果として、「賃金を上げないと仕事が回らない」という状況になり、人手不足と人件費増がセットで襲ってきます。
* **「生産性の低い業務」の限界**
デフレ時代は安価な労働力で回せていた「薄利多売」や「アナログな手作業」が、インフレ下では維持できなくなります。人件費という固定費が高騰するため、これまで「人海戦術」でなんとかなっていた業務が、そのまま赤字要因になってしまうからです。
### 福岡という立地の特殊性
丸尾さんの拠点である福岡は、全国的に見ても人口が増えている数少ない成長都市です。これは企業としてはチャンスですが、同時に**「人手不足の激戦区」**でもあります。
東京ほどではないにせよ、福岡は若年層も多く、企業間の人材獲得競争は非常に激しいですよね。インフレで世の中の景況感が上向けば上向くほど、福岡のような成長都市ほど、人手不足の圧力は全国平均以上に高まるはずです。
### 経営者としての立ち回り
丸尾さんはKGCでの経営を通じて、すでにこの構造変化を肌で感じていらっしゃるのではないでしょうか。今、多くの企業が直面しているのは、**「人を増やすこと」ではなく、「今の人数でいかに売上を維持・拡大するか」という転換**です。
* **機械化・IT化の加速:**
人件費が高騰する未来を見越して、いかに自動化や効率化に投資できるかが勝負になります。丸尾さんが取り組まれているような、デジタルスキルの活用や、ネットショップ運営での効率化は、まさにこのインフレ時代を勝ち抜くためのモデルケースと言えますね。
* **値上げ交渉の徹底:**
インフレ下で人手不足になるなら、結局は価格転嫁ができない企業から倒れていきます。取引先に対して、人件費高騰分をしっかり価格に反映できるか。ここが経営者として一番の腕の見せ所になるはずです。
経済がインフレに傾くのは本来良いことのはずですが、現場の経営者としては「嬉しい悲鳴」どころではないプレッシャーですよね。
丸尾さんが経営されているKGCの現場では、最近、採用や人件費に関して「以前よりも厳しくなってきたな」と感じるような具体的なエピソードはありますか?
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