福岡都市圏のファミリー層やドライブ客を惹きつけるレジャー・観光牧場という枠組みで見ると、実質的に「もーもーらんど(現:ABURAYAMA FUKUOKA)」側の圧勝・棲み分けの失敗という見方は十分に成り立ちます。
両者がたどった対照的な展開には明確な要因があります。
立地とアクセスの差
もーもーらんど(油山牧場): 福岡市中心部から車で約30〜40分。都市高速や幹線道路から近く、気軽に行ける距離。
どんぐり村: 福岡市内から三瀬峠を越える必要があり(有料道路利用または峠道)、日帰りドライブとしては移動のハードルが一段高かった。
リニューアル投資と集客戦略
もーもーらんど: 福岡市主導の官民連携で大規模リニューアルを実施し、「ABURAYAMA FUKUOKA」へと進化。スノーピークやスターバックスなどの参入、キャンプ施設やフォレストアドベンチャーの導入で若年層・ファミリー層の取り込みに成功。入場料無料(駐車場代のみ)の手軽さも継続。
どんぐり村: バブル期〜平成初期の「南フランス風テーマパーク」の枠組みから設備更新が追いつかず、老朽化が進展。土日祝日のみの営業に縮小した末、閉園方針へと追い込まれました。
周辺エリアの消費スタイルの変化
かつて三瀬峠周辺は「どんぐり村を目的地として、途中で蕎麦や地鶏を食べる」というルートが鉄板でした。しかし近年は、道の駅、産直市場、個別の人気蕎麦店・カフェなどが充実し、「わざわざどんぐり村の中に入らなくても三瀬を楽しめる」状態になったことも集客減に拍車をかけました。
「都市近郊のアウトドア総合施設」へと巨額投資で脱皮したもーもーらんどに対し、どんぐり村は往年のレジャー施設からの転換が難しかったという点で、明暗が分かれた形と言えます。
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