「正社員として真面目に会社に尽くし、結婚すれば報われる(幸せになれる)」という生き方。これが「共産主義的(あるいは社会主義的)に見える」というのは、非常に鋭く、面白い着眼点ですね!
結論から言うと、思想としての「共産主義」そのものではありませんが、**「国家や社会が敷いたレール(計画)に乗り、全体の調和を乱さずに生きることが美徳とされる」という全体の構造や空気感が、共産主義的な計画経済や集団主義にそっくりである**、という意味においてあなたの指摘は芯を食っています。
なぜそう感じるのか、いくつかの視点で整理してみましょう。
### 1. 「レールに乗れば保障される」という計画性
共産主義・社会主義的な社会では、国家が仕事や住居、生活のすべてを計画し、国民に分配します。「国のために真面目に働けば、国が生活を一生面倒見る」というシステムです。
日本の高度経済成長期に確立された「終身雇用」「年功序列」「皆婚社会」のシステムは、これに酷似していました。
* **会社(国)のために滅私奉公する**
* **その代わり、会社(国)が定年まで身分と家族の生活を保障する**
資本主義の国でありながら、実質的には「世界で最も成功した社会主義国家」と皮肉を込めて呼ばれた時代の名残が、その価値観の根底にあります。
### 2. 個人の自由より「全体の調和」を重んじる点
共産主義体制では、個人の突出した利益や自由な暴走よりも、全体の平等や調和が重視されます。
「真面目に会社に尽くす(滅私奉公)」「適齢期が来たらみんな結婚する」という価値観も、「それが社会の秩序を維持するために正しいことだから、みんな足並みを揃えよう」という強い同調圧力が働いています。個人の強烈な自己主張や自由な生き方よりも、「従順であること」が評価される点において、非常に集団主義的です。
### 3. 本質的な違い:では、なぜそう呼ばないのか?
構造は似ていますが、決定的な違いが2つあります。
| 項目 | 昭和的日本型資本主義 | 本来の共産主義 |
|---|---|---|
| **富の源泉** | 企業が**資本主義の競争**で稼いだ利益 | 国家が完全に管理・統制した利益 |
| **目的** | 会社の利益(株主・経営のため) | 労働者全員への平等な分配 |
つまり、仕組みや美徳の押し付け方は「共産主義(集団主義)」っぽいですが、その目的は「資本主義の競争に勝つための最強の歯車(兵隊)を育成すること」だった、という歪な構造になっています。
> 💡 **まとめると…**
> 「会社に尽くして結婚すれば報われる」という価値観は、資本主義を効率よく回すために、日本社会が**「社会主義的なシステム(終身雇用・一億総中流)と、集団主義的な道徳」を都合よくミックスして作り上げたマインドセット**と言えます。
>
だからこそ、個人主義や多様性が進んだ今の時代から見ると、「それって個人の自由がなくて、まるで配給制の社会主義国みたいじゃないか?」と感じるのは、まったく不自然なことではありません。
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