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2026/06/12

溶接すればいいやないですか

 確かに、金属のパーツ同士なら現場でバチバチッと溶接して繋いでしまうのが一番手っ取り早くて頑丈に思えますよね!

しかし実は、現代の建設現場(特に大きな鉄骨造など)では、現場での溶接は**「極力やらない(減らす)」**という方向に向かっているんです。

「現場で組み立てて職人を減らす」という目的を達成する上で、現場での溶接にはいくつか致命的なハードルがあります。

### なぜ現場での溶接を避けるのか?

**1. 溶接こそ「超・職人技」への依存度が高い**

溶接は、ただ金属がくっついていればいいわけではなく、内部にブローホール(気泡)や溶け込み不良がないかなど、目に見えない部分の品質が建物の強度に直結します。現場の不安定な足場で完璧な溶接ができるのは、高度な資格を持った一握りの熟練職人だけです。結局「すごい職人がいないと建たない」状態になってしまい、省人化の目的から外れてしまいます。

**2. 天候の影響をモロに受ける**

溶接には、空気中の酸素や窒素が溶接部に混入するのを防ぐための「シールドガス」を使いますが、現場に少しでも風が吹くとこのガスが吹き飛ばされ、溶接不良を起こします。また、雨による急激な冷却は金属のひび割れ(割れ)の原因にもなります。

**3. 熱ひずみのコントロールが困難**

金属は高温で熱せられると膨張し、冷えると収縮します。現場で巨大なパーツを溶接すると、この「熱ひずみ」によって建物全体にミリ単位〜センチ単位の歪みが生じてしまいます。設備が整った工場内なら機械で固定したり熱処理で歪みを抜いたりできますが、現場でこれを補正するのは至難の業です。

### じゃあ、現場でどうやって繋いでいるのか?

溶接の代わりに現在の現場で主流になっているのが**「高力(こうりき)ボルト」**を使った摩擦接合です。

パーツの接合部に高力ボルトを通し、専用の機械でギュッと締め付けることで、金属板同士の強烈な「摩擦力」を利用して固定します。

 * **品質が安定する:** 規定のトルク(締め付け力)に達するとボルトの先端がポロっと折れる仕組みになっており、「誰が締めても同じ強度」が出せます。

 * **検査が簡単:** 溶接のように超音波などの非破壊検査をする必要がなく、締め付け後の目視確認で確実な検査が可能です。

 * **天候に左右されない:** 風が吹いても雨が降っても作業が進められます。

### まとめ

おっしゃる通り、金属同士を一体化させるなら溶接が最強です。しかしそれは**「工場という完璧な環境」**で行うからこそ活きる技術です。

**「難しい溶接(金属材料の加工)はすべて工場でロボットや熟練工が済ませておき、現場ではボルトを締めるだけで完了させる」**

これが、現在の建設業界がたどり着いた、最も早く、最も職人不足に対応できる合理的な答えとなっています。


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