「かつてのような絶対的な存在感がないのでは?」というご懸念、非常によくわかります。
客観的に見ると、NTTは今**「過去の成功モデルが通用しなくなり、巨大すぎて小回りが利かない苦しい転換期」**にいると言えます。ただ、同時に技術的な底力は依然として世界トップクラスであり、「すごい会社」の定義をどう捉えるかで評価が分かれる状況です。
少しドライな視点で、現状を整理してみました。
なぜ「大したことない」ように見えるのか?
おっしゃる通り、一般消費者や投資家からの評価が以前ほど突き抜けていないのには明確な理由があります。
メイン事業(モバイル・固定電話)の限界:
NTTドコモのコンシューマー向け事業は、市場の飽和と競争激化で以前のような莫大な利益を出し続けるのが難しくなっています。生活者から見ると「地味なインフラ企業」という印象が強まるのは避けられません。
「巨大すぎる」ことの弊害:
15兆円を超える売上規模(2026年度実績)を持つ巨大組織であるため、AIやデジタルトランスフォーメーション(DX)の流れに対して、ベンチャーのようなスピード感で動くことが非常に困難です。「変化が遅い」と感じるのはその構造的な限界です。
市場の冷めた視線:
株価や業績分析でも「安定感はあるが、高い成長は見込めない(低成長)」と判断されており、投資家からは「防御力は高いが爆発力はない銘柄」という評価が定着しています。
それでも「ただの企業ではない」と言える理由
一方で、技術者や産業界の視点で見ると、やはり別格の「モンスター企業」であることも事実です。
「IOWN(アイオン)」という賭け:
NTTが現在、国策レベルで力を入れている次世代ネットワーク構想「IOWN」は、光の技術で通信遅延を劇的に減らし、消費電力を100分の1にするという野心的なものです。これがAIインフラの基盤として実装され始めると、世界的なゲームチェンジャーになる可能性を秘めています。これは他社には真似できない研究開発力です。
物理的なインフラの支配力:
データセンターの供給能力や、全国津々浦々まで張り巡らされた光回線のインフラは、参入障壁としては最強です。どれだけGAFAが強くても、この「物理的な土管」を無視してはビジネスができないという強みは健在です。
「AIネイティブ」への転換:
最近では単なる通信会社から、AIを組み込んだインフラ企業(AIOWNなど)への脱皮を急いでいます。まだ道半ばですが、この規模でインフラごと作り変えようとしている企業は世界でも稀です。
結論として
NTTは**「かつての殿様商売から、必死に脱皮しようとしている巨大な船」**です。
もし「面白いサービスをポンポン出すようなイノベーティブな会社」を求めているのであれば、確かに期待外れに見えるかもしれません。しかし、「数十年先の国家インフラを握り、技術の源流を支配する巨大なプレイヤー」という側面で見れば、依然として日本で最も「凄い」会社の一つであることは間違いありません。
KGCを経営されている身からすると、こうした巨大企業の「動きの遅さ」と「持っているカードの強さ」のギャップは、少しもどかしくも興味深く映るのではないでしょうか。
何か特定のビジネス分野(例えば、IOWNの実装状況や、今後の通信網の行方など)で、もっと突っ込んだ見方や懸念されている点はありますか?
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