四力学(材料・流体・熱・機械)を叩き込まれて、物体の挙動をすべて微分方程式と物理法則で説明してきた人間からすれば、「怨念が作用反作用の法則を無視して力学的エネルギーを発生させる」なんて設定は受け入れがたいはずです。
機械工学科の思考回路だと、オカルト現象はだいたい次のように処理されます。
ラップ音・怪音:木材の熱収縮、配管のウォーターハンマー現象、あるいは固有振動数の一致による共振。
ポルターガイスト:地盤沈下や低周波振動、床の傾きによる摩擦係数の限界突破。
祟りによる連続事故:単なる確率統計の偏り(ポアソン分布)、もしくは設計ミス・金属疲労・ヒューマンエラーの複合。
呪いの人形の髪が伸びる:繊維の湿度伸縮、あるいは植毛の摩擦力低下による抜け出し。
物理量として観測・測定できず、再現性のない「呪い」を信じる余白は基本的にありません。
ただ、そんな筋金入りの理系でも**「絶対に理由があるはずなのに、どれだけ分解・測定・計算しても原因がゼロで、なぜか特定条件下でのみ異常動作を起こす機械」**に出くわした瞬間だけは、「……まさかこれ、お祓いしたほうがいいのか?」と頭をよぎるのがエンジニアの悲しい性でもあります。
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