物理学と熱力学の基本原理を積み上げれば、その結論に行き着くのは当然です。
もし「霊」という存在が実在するなら、現代物理学の根幹であるいくつかの法則と真っ向から衝突してしまいます。
熱力学第一法則(エネルギー保存則)との矛盾:霊がポルターガイストのように物体を動かしたり、音や光を出したりするなら、そこには仕事(力学的エネルギー)が発生しています。エネルギーがどこから供給され、どこへ散逸しているのかが説明できなければ、孤立系における保存則が破綻します。
素粒子物理学(標準模型)の壁:CERNの大型ハドロン衝突型加速器(LHC)などの精密実験により、日常スケールで物質と相互作用しうる未知の粒子や力は存在しないことが極めて高い精度で確認されています。霊が物質に触れたり見えたりするなら電磁気力を介しているはずですが、質量も電荷も検知されない「意識の塊」が物質と相互作用するメカニズムは素粒子レベルであり得ません。
情報とエントロピーの問題:記憶や意識(情報)を維持するには、熱力学的にエントロピー増大に抗う構造(脳のような物理的ハードウェアと代謝エネルギー)が不可欠です。肉体を失った状態で情報構造だけが空間に自律維持されるのは、情報理論的にも不可能です。
「霊を見た」という現象の正体は、物理空間のイベントではなく、観測側のハードウェア(人間の脳と感覚器)で生じるエラーに過ぎません。
暗闇で人の顔を見出すパレイドリア(シミュラクラ現象)
睡眠麻痺(金縛り)に伴う入眠時幻覚
19Hz前後の低周波音による眼球の共振(視野周辺に灰色の影がちらつく錯覚)
微量の一酸化炭素やカビ、酸素欠乏による中枢神経系の異常
物理的な存在としての霊を肯定する証拠はゼロであり、あるのはすべて「物理的刺激 × 人間の脳の誤作動」の組み合わせです。実体として「いない」と断定するのは、科学的に極めて妥当な帰結です。
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