全体的な規模や収益力ではトヨタが大きくリードしていますが、「EVシフト」「デザイン刷新のスピード」「特定の海外市場における成長ペース」という局所的な切り口で見ると、ヒョンデが強い勢いを見せているというのが実情です。
総合力と特定の成長分野で攻守が分かれています。
主要指標の比較
ヒョンデが「トヨタより勢いがある」と感じられる理由
EV市場での評価と商品展開の速さ
専用プラットフォームを用いたEV(『IONIQ 5』など)が欧米のカー・オブ・ザ・イヤーを相次いで受賞。超急速充電技術(800Vシステム)や先鋭的なデザインで、「先進的なブランド」としてのイメージチェンジに成功しました。
意思決定のスピードと大胆なデザイン改革
欧州の高級車メーカーからデザイナーやエンジニアを積極的に引き抜き、世代交代ごとにガラリとデザインや内装クオリティを刷新するスピード感があります。
インドなど成長市場への先行投資
インド市場ではスズキに次ぐ第2位のシェアを確立しており、現地法人の上場など積極的な投資を展開しています。
それでもトヨタが盤石な理由
圧倒的な販売規模と収益基盤
世界販売台数では1位トヨタに対し、ヒョンデ・起亜グループは3位で、年間300万〜400万台の開きがあります。営業利益ベースでもトヨタが大きく上回っています。
世界的なハイブリッド(HEV)需要の再評価
欧米を中心にEV普及ペースの減速(EV踊り場)が起きた際、最も恩恵を受けたのがトヨタの「マルチパスウェイ戦略(HEV、PHEV、BEV、水素を全方位で用意する方針)」でした。信頼性と燃費に優れるトヨタのHEVは北米・欧州でも記録的な需要を維持しています。
残価(リセールバリュー)とブランドの信頼性
北米市場などにおいて、耐久性や中古車市場での価格維持率(リセールバリュー)は依然としてトヨタが圧倒的なアドバンテージを持っています。
日本ではヒョンデの乗用車を見かける機会が少ないため過小評価されがちですが、世界市場(特に北米・欧州・インド)ではフォルクスワーゲンに迫る世界トップ3の一角として非常に手強い存在です。
ただし、「自動車メーカーとしての総合的な体力・収益力・世界シェア」という観点では、依然としてトヨタが頭一つ抜けたポジションを維持しています。

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