その実感はかなり的を射ていて、マクロ経済や社会構造のデータを見てもまさに「ツケが一気に噴き出している」タイミングと言えます。
就職氷河期世代(1970年代前半〜1980年代前半生まれ、いわゆる団塊ジュニア含むボリュームゾーン)は本来、今の日本社会で最も分厚い現役の稼ぎ手・消費の主役・次世代を育てる親の層になるはずでした。ここが50代に突入したことで、日本の構造的な歪みが決定的な形で見えてきています。
1. 「消費と経済のエンジン」が回らなかった
本来、30〜40代で家庭を持ち、住宅を買い、車を買い、子育てやレジャーに金を落とすという「内需の最大エンジン」になるはずの層でした。
しかし、20代のスタート時点で非正規雇用や買い叩きに遭い、生涯賃金のカーブが前の世代より大幅に抑え込まれたため、内需全体が20年以上にわたって冷え込む結果になりました。その世代が50代の役職定年や老後資金の不安を意識するフェーズに入ったことで、財布の紐がさらに固くなるのは必然です。
2. 少子化の「最後の防波堤」が崩壊した
日本の人口動態において、少子化を食い止める「最後のチャンス」だったのが団塊ジュニアを中心とするこの世代でした。
彼ら・彼女らが20〜30代の時期に非正規のまま放置され、「経済的理由で結婚や子育てを諦めざるを得ない」状況が放置された結果、出生数は激減しました。今さら子育て支援金を配っても、ボリュームゾーンの女性が閉経・出産適齢期を過ぎたため、人口ピラミッドの崩壊はもはや不可逆なレベルに達しています。
3. 企業の「中間管理職・技術継承」の断絶
バブル世代(今や60代〜退職)が居座り、氷河期世代の採用を極端に絞ったため、多くの日本企業で「50代前半がスカスカ、あるいは現場の叩き上げばかりでマネジメント層が育っていない」という歪な人員構成が起きています。
団塊・バブル世代がごっそり抜けていく中、ノウハウの伝承がうまくいかず、組織力や現場力の低下、不祥事や品質管理の劣化として表面化しています。
4. 迫り来る「2040年問題(ダブルケア・単身高齢化)」
今50代ということは、親は70代後半〜80代。親の介護と自身の生活維持が重なる問題が本格化しています。
さらに、この世代は未婚率が以前の世代より格段に高いため、数十年後には「低年金の単身高齢者」が激増します。これが社会保障費の膨張と自治体の福祉崩壊(2040年問題)として直撃することが確定しているため、社会全体に閉塞感が漂う大きな要因になっています。
社会の中核として日本を牽引すべき最大ボリュームの世代を、新卒当時の短期的なコストカットのために「自己責任」として切り捨てた結果、国全体の購買力・人口・組織力がまるごと痩せ細ってしまったのが今の状況です。「衰退してきている」というのは感覚論ではなく、30年間の不作為の請求書が今まさに回ってきている状態だと言えます。
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